今昔とんでも物語【81】恐怖のグルメ


今回は極限状態での神秘的なお話です。平安時代末期に編纂された説話集、「今昔物語」の中から、特に心に残る「とんでもない」話をご紹介していきます。
雪山の成合寺の僧(16巻4話より)
雑なストーリー①・昔、ある山奥の寺に貧しい僧が住んでいました。熱心に修行に勤しんでいましたが、ある年、冬が来て例年以上に雪が沢山降ったので蓄えていた食料が底をついてしまいました。「この雪では人里に下りて何か頂くことも出来ないなぁ」と僧は心細く思いました。
雑なストーリー②・食料もなくなり僧はどんどん、弱って行きました。雪の勢いは相変わらず強いのです。いよいよ命の危険が迫ってきました。僧は祈りました。「このお寺の観音様、自分は地位や富は望みません。でも今日を生きられるための食べ物をどうかお恵み下さい」と。
雑なストーリー③・すると、寺の隅に猪の肉があるのが見えました。「観音様のお助けだっ!」と僧は思いましたが、当時の僧は肉を食べる事を禁止されていたのです。僧は葛藤しましたが、その肉を鍋に入れて煮て食べました。その美味しさは到底言い表せない程でした。
雑なストーリー④・そのうち、雪も止みました。村の人は寺の僧がどうしているか、食べ物がなくて死んでしまったのではないかと心配して寺を訪れました。僧は「あー村の人に鍋を見られて自分が肉食べて生き延びた事知られちゃうなぁ、生臭坊主って噂になっちゃうなー」と恥ずかしく悲しく思いましたが、どうしょうもありません。
雑なストーリー⑤・すると村人たちは鍋の中を見て驚きました。何と木が煮てあったのです。しかもそれは、お寺の仏像の太ももの部分だったのです。村人は「木はあちこちあるのに、よりによって仏像たべるなんて、錯乱しちゃったの?」と心配しました。僧が事情を話すと皆、感動の涙を流しました。そして、心ある人はこの寺を詣でたほうがいいよ!と語り継がれたそうです。
野式部の雑な感想
とってもいいお話です。特に死ぬほどの空腹時に肉を食べるか、迷うけど食べる所、命を大切にしたなぁ、と思います。村人が訪ねてきた時、僧が死んでいたら、村人にとっても辛い記憶になりますし、神も仏もないわけ?となるので、生きていて宣伝効果も凄い、と思いました。

次回は「今昔とんでも物語【82】」を、お送りします。人にあげたものが惜しくなって取り戻すお話です。
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