今昔とんでも物語【88】形のない宝珠をもらった僧


今回は信心で今を変える僧のお話です。平安時代末期に編纂された説話集、「今昔物語」の中から、特に心に残る「とんでもない」話をご紹介していきます。
播磨の国の地蔵聖(17巻7話より)
雑なストーリー①・昔、ある所にとても信仰熱心な僧がおりました。特に地蔵菩薩を深く信仰していました。世の人のために力になりたい、という心はあっても隙もない貧乏なので思うようにはいきませんでした。ある夜のこと、僧の夢にお告げがありました。とある国に行き山の上のほうで暮らしなさい、と。
雑なストーリー②・さっそく僧は言われた場所に行き自分で住む所を造り、何年も修行しました。山奥なので、そんな僧が住んでることを地元の人まで知りませんでした。
雑なストーリー③・ある夜、僧の夢に美しい小僧さんが表れて言いました。「お前がずっと貧乏だったのは前世の行いが悪かったせいだよ。だけど私の言うことを聞いてこんなに頑張ったから、お宝あげるよ。これがあれば人に施しを与えたいお前の夢が叶うからね」と。僧は信心し続けてきた地蔵菩薩に会えて感無量です。小僧さんから宝珠を受け取った所で目が覚めました。
雑なストーリー④・僧はますます熱心に地蔵菩薩を奉じました。そのうちに弟子が増え、参拝客が増え、色々な物を頂けるようになりました。僧は堂を建て地蔵菩薩の像を安置しました。そのお寺は霊験あらたかな素晴らしい場所として有名になりました。僧の人に施しを与えたい願いも叶い多くの人が助かりました。
野式部の雑な感想
珍しい珠を貰ってそれを見に来る人でごった返した話、と早合点をしてました。これは無形だけれど心に授かった、という事なのでしょうか。どれほどいい人でも前世が悪いと貧乏なんだ、と思うとちょっと辛いですが、真面目に頑張ればそれも払拭できる、というお話なのでした。
ただ気になるのは、最初に「ここ行って住め」とお告げを言った人には特に記述はないですが、宝珠をくれた人はとても美しい人という事で、勤行に精を出すとお告げの人の容姿がグレードアップする?なんて思ってしまいます。様々な話に登場する、使者としての童子や小僧の美しさは尊さの表れなのでしょう。

次回は「今昔とんでも物語【89】」を、お送りします。馬から降りない事で事件が起こります。
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