今昔とんでも物語【91】寿命が延びた僧

スケバン軍団登場

今回はまた、帰ってきた僧のお話です。平安時代末期に編纂された説話集、「今昔物語」の中から、特に心に残る「とんでもない」話をご紹介していきます。

東大寺の僧(17巻17話より)

雑なストーリー①・昔、あるお寺に若い僧がおりました。この僧がお寺の用事で京に行く途中に、偶然有名な人相見の男と出会いました。僧は喜んで「当たると評判の人相見さんに会えて超ラッキー。僕の人生占ってちょ」とお願いすると人相見は僧の顔を見て「あんたはお坊さんだし貴いけど、あんまり寿命ないんだよね。40歳は越せないよ。長生きしたかったら今以上に頑張らないと」と言うので僧は大ショックを受けます。

雑なストーリー②・僧はすぐさま今のお寺を出て山奥でひたすら厳しい修行を続けました。特に地蔵菩薩の名前を何回も唱え念じました。そんな日々を数年送ったのですが、僧は30歳の時、病気にかかり亡くなってしまいました。

雑なストーリー③・僧はあの世で、数人の役人に捕まえられそうになりました。そこで僧は言いました。「自分は悪いこと何にもしてないし地獄に連れていかれるのは納得できないよ。地蔵菩薩をずっと奉ってきたんだし!」と。すると役人たちは「そんなこと今言われても何の証拠も無いわけなんだから」と答えるので、僧がまた言い返して、すったもんだしていた時でした。美しい光を放つ小僧さんが現れました。しかもその後ろに沢山の小僧さんが合掌しながら控えていたのです。

雑なストーリー④・するとそれを見たあの世の役人たちは「こんなに地蔵菩薩の使いがあらわれるとは、この男はいい人みたいだね。じゃあ俺たちは連れて行かないで帰るよ」と地蔵菩薩におじきをして、去っていきました。するとリーダー格の小僧さんが、僧に向かって言いました。「私はお前がいつも念じている地蔵菩薩だからね。お前は前世の行いがちょい悪で寿命短い定めだったけど頑張ったから、これからは大丈夫だよ。すぐに地上に戻って精進して今度は極楽往生できるようになんなさいよ。もうここには戻るんじゃないよ」

雑なストーリー⑤・気が付くと僧は生き返っていました。亡くなってから一日経っていたそうです。それから僧はさらに熱心に信心を続けました。そして長生きをして特に病気に苦しむこともなく、極楽往生しました。人々は「本当に地蔵菩薩のお力はすごいなぁ」と尊び涙を流したのでした。

野式部の雑な感想

黄泉の国であわや、と言う時に颯爽と登場する御仏の使い。まるでヒーローですね。今回も前世の罪を今生で償いチャラにするお話でした。しかし偶然会った人相見に「ぜひ自分見てっ!」とお願いするのは多少ミーハーな気もしますが、ここで遠慮してたらそのまま過ごして早死にしたのでしょうからミーハーも良かったのです。これが縁というものでしょうか。

次回は「今昔とんでも物語【92】」を、お送りします。またもや、帰ってくる僧のお話です。


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