源氏物語・私の好きな女君BEST10④
第7位 末花摘
身分、年齢、容姿、人柄まで、幅広い女性達が登場する源氏物語は、まるで女の百貨店です。その中で僭越ながら「好き」と申しますのは、「なんか気に食わない」みたいな事ではなく、「どのような運命を用意された人であったか」とゆう観点からの、個人的なランキングになっております。
不美人の星、世にはばかる!高貴と一途と不美人と…
雑な人物紹介・若き日の光源氏くんは、後見人である父親を亡くし、不自由な暮らしをしてる高貴な姫君「末摘花」の話を聞き、興味を持ち猛アタック、遂にお付き合いを始めますが…。
人生ファイルその1・突然、嵐のように、王子様が…
この「末摘花」は、愛憎渦巻くシリアスな「源氏物語」のストーリーの中で、箸休めのようなユニークな存在ではないでしょうか。とゆうのもこの姫君、容姿に留まらず、考え方、言動、生き様、すべてがユニーク。光くんは、手ごたえのないまま「なんか変だな?」と思いながらも姫と関係を持つ所までこぎ着けます。何度か通い、ある朝、姫のお姿をばっちり見て、びっくり。美の想像の範疇をはるかに超えた、超ユニークな女性がそこには居たのです。
人生ファイルその2・忘れ去られても待つ、一途に感動。
落ちぶれた高貴な姫君に幻想を抱いていた光源氏のお心は、一気に冷めます。ただでさえモッテモテの遊びたいお年頃、悪夢のような記憶は瞬く間に消去されます。
そして数年後。無茶な女遊びが祟り、セルフ島流ししてたひかる君。京に戻り「んちゃ!みんな元気してた?」と元カノ達のご機嫌伺いにまわりますが、その途中にあった荒れ果てたお屋敷が、末摘花の住まいと思い出すのです。
懐かしさに訪ねてみると、なんと姫は一度お付き合いをした、ひかる君をひたすら待ち続けていたのです。生活は困窮を極め、姫の命も風前の灯火…それでも他の男にもなびかず、待ち続けていた、この一途さに感動したひかる君は、姫を援助し、最終的に自分のお屋敷に住まわせ、生涯面倒を見るのです。
人生ファイルその3・尽くす女、末摘花。光源氏に大貢献!
身も蓋もないけど、もし光源氏が、若い美人だけを厳選してお付き合いしていたら、鼻持ちならない、ただの嫌な男だったでしょう。年齢、身分、容姿、好き嫌いせず、様々な女性と関わってきたからこそ、世界の物語のプレイボーイの中でも「さすがだね」と一目置かれる存在になれたのです。そうゆう意味では「末摘花」は、光源氏の評価の爆上げに貢献した功労者ではないでしょうか。
美男美女渦巻く、源氏物語の中で、もう一人、あまり美人ではない「花散里」とゆう女性が登場します。光源氏の恋人なのですが、こちらはひたすら控えめで、己を知る、慎み深いお人柄で、正直、面白みに欠けて思えます。
でも、源氏物語をテレビドラマ化したものを拝見した時に、なんと「末摘花」と「花散里」、不美人枠で一人の女性に合体されていた作品があったので、「なんて効率がいいんだ」と驚きました。これには、さすがの紫式部も、知ったら驚いたのではないでしょうか。
次回は、「好きな女君、第6位」をお送りします。
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