野式部の私の好きな古典BEST10③
第8位 堤中納言物語
個人的に好きな、心に残った古典作品をベストテン形式で発表していこうとゆう呑気なシリーズです。お気軽に読んで頂ければ幸いです。なお古典の解釈も呑気になっております。
時空を超えた奇跡の物語、「虫愛づる姫君」!
堤中納言物語は、いくつかの連続性のない短編の構成で、平安時代の人々の生活を知るには大変貴重な作品となっております。その短編の中に、特別に心に残る驚きの物語があります。それが「虫愛づる姫君」とゆう話です。
変人を滑稽に書いたつもりが、まるで預言書?
あらすじはといえば、ある所に虫を愛する姫君がいたと。噂を聞きつけた貴族の青年2人が、カジュアルな女装で、その様子を外から垣間見る、短いお話です。ちなみに二話に続くとあって続きがないとゆう、ネバーエンディングストーリーなのです。
その姫君の、変人ぶりをざっと並べてみます。
①「物事の表面ではなく、本質を見つめるべきだ」との思想から、美しい蝶よりも、その前身である虫が好きで、集めて名前を付け、飼育し観察する。
②自然が一番!と言って、当時の女性が全剃であらぬ所に描く眉を、剃らないのでゲジゲジ眉。
③気持ち悪いと言って、当時の女性の常識の「お歯黒」をしないので、歯が真っ白!
④美人の第一条件、女の命の黒髪を、活動の邪魔なので、耳に掛ける!
⑤娘を心配する両親にも、己の信念を口答え。
⑥青年たちがいたずらで送った、蛇みたいなおもちゃを、侍女たちが本物と勘違いして大騒ぎする中、恐れながらも「これは前世の親かも…」と観察。
どうでしょうか。とんでもない変人に思えたでしょうか。
末は博士か大臣か。研究者タイプの才女!
おそらく、当時の常識外の、あまのじゃく的な、変人を笑うためのお話だと思うのですが。そのすべてが現代ではむしろ好ましいとゆう。まるで、でたらめな予言が、千年後にすべて当たるような、その内容に驚きます。「竹取物語」はSF?と思ったように、タイムスリップした未来人が残していった物語ではないかと思うほどです。
姫君の言動や様子が当てはまる病気がある、との説もありますが、元気で自由なこの姫君が、私はとても好きです。
次回は、野式部の好きな古典、第7位を発表します。
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