今昔とんでも物語【58】犬の妻

ラブラブカッブル

平安時代末期の説話集「今昔物語」の中から特に心に残る「とんでもない」話をご紹介していきます。今回は、恩を仇で返す迷い人のお話です。

平安時代の里見八犬伝?(31巻15話)

雑なストーリー①・昔、京に住む若い男が山に1人で遊びに行きました。しかし道に迷い日も落ちてきて途方に暮れていると、人の住んでいそうな場所があったので行ってみると小さい庵がありました。男は「助かった、今日はここに泊めてもらおう」と近づくと、中から若く美しい女が出て来たので男は増々嬉しくなりました。

雑なストーリー②・男が女に近づき事情を話すと女は驚いた様子で言いました。「よくここにたどり着いたわね。泊めてもいいけど、もうすぐ帰って来る私の夫が誤解すると困るから、あなたの事を故郷の兄だと言うわ。久しぶりに会いたいな~と思ってたら偶然山道で迷ってて会えたのよって言うからあなたも話合わせてね」と言われます。

雑なストーリー③・女の案内で部屋に入ると、女はふと近づいてきて言いました。「私は元は京に住んでたんたけど思いがけずさらわれて、ここでその者の妻にさせられたのよ。そりゃ生活に困る訳じゃないけど、情けないったらないわ。あなたも夫の姿を見て驚かないでよね」とすすり泣くので男は一体どんな夫?鬼とかかしらんと内心怯えました。

雑なストーリー④・そのうち夫が帰ってきたのですがその姿は何と、大きい白い犬でした。男はマジビビりましたが妻が「兄に偶然会えたのよー」と言うと犬は信じたようでした。男は食事を十分にごちそうになり部屋に戻り寝ました。

翌朝、女がやってきて「ここの事はくれぐれも他言無用よ。でもあなたの事を夫は兄だと信じたから、また遊びに来てよ」と言いました。


雑なストーリー⑤・男は山を下り京に無事帰りました。すると男は山であった出来事をベラベラみんなに話しました。アホな男どもが「そんな美人が犬の妻なんてもったいなさすぎる!皆で襲撃して犬を殺しちゃおう!」と言い出しましたので男は、結構な数の男達を連れて、犬と戦うために武装してもう一度山に行きました。

雑なストーリー⑥・前回の庵の辺り行くと、犬と女がいたので皆で矢を放ちました。しかし犬は女を連れて鳥のようにひらりと飛んで山に逃げて行きました。とても追いかけられないし、アイツただもんじゃねえな!と怖くなって、皆で引き返しました。すると、最初に迷って庵に行った男は、家に帰ると気分が悪くなり、そのまま死んでしまいました。人々は「あの犬は神か何かだったに違いない」と言い合いました。

野式部の雑な感想

まず、気になるのですが、あまたある昔話の異類婚姻譚の中で、なぜ犬は犬の姿のままなのでしょうか。それだけ身近なのでしょうか?次に気になるのは、今回の話のこの奥さんが、案外思わせぶりと言いますか「ここの話は誰にもするな、二度と来るな」なら分かりますが「また来てねー」みたいのが意外です。割と迷子男は男前だったのでしょうか?でも久しぶりに会った人間が嬉しかったのかも知れません。

次回は「今昔とんでも物語【59】」を、お送りします。次回から、今昔物語の中の「僧」などのとんでも話を始めたいと思います。


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