野式部の私の好きな古典BEST10⑥

娘道成寺

第5位 今昔物語 前編

個人的に好きな、心に残った古典作品をベストテン形式で発表していこうとゆう呑気なシリーズです。お気軽に読んで頂ければ幸いです。なお、「古典」の解釈も呑気となっております。

物語の闇鍋!清濁併せ吞む、人の世のごった煮!

今昔物語は、千以上ある物語の集合体であり、その内容は、有り難い仏教的なものから、とんでもないエロまで、多岐にわたる壮大なロマンであります。また、多くの芸術家にインスピレーションを与えた存在であります。今回はその、おおらかな愛と性の部分についてごく一部をご紹介したいと思います。

大根を食べたら妊娠、ありよりのなし?なしよりのなし?

水木しげる先生も古典全集でお描きになっている、今昔物語の世界を代表するようなこの話は、旅の武士が大根畑を前に性欲をもよおし、良い感じの大根で用を足します。後からこの大根を食べた村娘が妊娠する、数年後、その思い出話をしながら大根畑を通ると、自分によく似た子供のいる家に案内されるとゆう。まさかーと思いつつも、もしかしてとも思っちゃう、キツネが化かしたり、いろんな異種動物と人間の間に子供が出来る時世だから。この大らかさが今昔物語の世界の魅力のように感じます。

包みを開けたらそこには…消えた魔羅、帰ってきた魔羅

現代ではただの犯罪ですが、身分がすべての平安時代、上司を家に泊め歓待する時には、部下の妻の肉体も歓待メニューに入っておりました。そんな場面で、部下の妻の寝所に行き、これからとゆう時に股間が寂しい。なんか無くなってる。騒ぐわけにもいかず翌朝とぼとぼ帰ると、その家の使いが追って来て、忘れ物だと包みを渡します。中には己の性器。えっ?と思うと無事に股間に戻っていた。後から聞きますと、用心のために、そうなる妖術を夫が習ったのだとか。どんなイリュージョンですか。

「娘道成寺」の元ネタ!炎に焼かれた女の秘めたる情念!

自分を袖にした(フッた)美僧を、蛇に変化して追っかける女の話は、あまりにも有名です。この女性について、未婚の娘だとか夫を亡くした女だとか所説あるようですが、とにかくも、いくら振られたからと言って、大蛇になって走り回るって大変な事です。蛇に限らず、色々なものに変化する話があります。馬になったり、鬼になったり、鬼婆になったり、サナダムシになったり。これはその人の母親のお腹の中に虫がいたのだとか。意味は分かりませんが「そんな事あるかもね」と思えるのが、昔話の魅力なのかも知れません。

映画にもなった、死んだ妻と寝る夫の話

色々あって、何年も帰れなかった夫が家に戻ると、妻が出迎えてくれる。色々語り合い夜が明けると、妻は骨になっていた。隣近所に聞けば結構前に亡くなっていた。自分の死に気づかないか、認めたくないのか、夫への執着か、霊となった妻と、妻の死を受け入れられない夫の、はかない逢瀬。悲しくも美しい話です。一方、心変わりした夫を恨んで、死霊になる妻の話、生霊になる妻の話もあります。夫婦も色々です。

もっと面白い話、悲しい話、沢山あるのですがキリがないので。

次回も「今昔物語」について、語りたいと思います。


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