今昔とんでも物語㊶「鬼殿の霊」

ぼやき酒

平安時代末期に編纂された説話集、「今昔物語」には、沢山のお話があります。かなり自由な、その中でも、特に心に残る「とんでもない」と思える話をご紹介していきたいと思います。今回は、悲しくも不思議な物語です。

雷に奪われた命

雑なストーリー①・昔、馬に乗った男が、京の町を通っていると、突然、強い雨が降ってきました。ちょうど大きな松の木があったので、その木の下で、馬と一緒に雨宿りする事にしました。
雑なストーリー②・すると、雷が落ちて、馬も男も、引き裂かれて死んでしまいました。男は霊となり、その場に留まり続けました。その場所は霊が出るので「鬼殿」と呼ばれるようになりました。
雑なストーリー③・その後、都が京に移り、人々も移って来ました。その場所にも家が建ちました。それでも、霊は消えませんでした。その場所では、良くないことが起こると、言い伝えられました。

野式部の雑な感想

悲しいお話です。男は突然、命を失い、納得できなかったのではないでしょうか。あるいは、死んだ事に気がつかないまま、長い時間が流れたのでしょうか。地縛霊の中にはそうゆうケースもあると聞きます。生きているつもりなのに、あらゆる物が自分を通り過ぎていく時間は、生きている人には見えず、先に亡くなった人達にも会えない、長く孤独な時間に思えます。この霊は、いつ、どんなきっかけで、成仏したのでしょうか。それとも、まだ今でも、死んだ場所に留まっているのでしょうか。

次回は「今昔とんでも物語」㊷を、お送りします。アメージングな鬼のお話です。


この記事が少しでも面白い!と思っていただけたら、
応援のクリックをいただけたら嬉しいです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA