もしもシリーズ④「もしも道綱の母に娘がいたら」

もしも道綱の母が、他の男性と結婚、再婚したら?女房勤めをしたら?出家したら?あれこれ仮想してまいりましたが、上手くいく気がしませんでした。(出家に関しては、しなかったし、したくなかったとゆう謎の結論)

しかし、今回だけは違います。もしも娘がいたらどれだけ人生が変わったか、張り切って仮想したいと思います!

まず子供が増えた?

道綱の母が産んだ最初の子、あるいは息子の後に産まれた子が女の子だったら、はっきり言って夫、兼家は眼の色を変えたと思います。多くの子供をもうけた人ですが、この時代、貴族にとって娘を帝の妃にする夢は出世の最短コースと言っても過言ではないのです。実際、他の妻の娘を帝の妃にしましたしね。

そこで、道綱の母の娘が産まれたら、母親有名人ですから「ブランド娘」となるわけで。しかも当時の姫君は屋敷の奥深く隠されて育ちますので、侍女たちに「うちの姫様、美人よ~」とか「うちの姫様、賢いわよ~」とか噂を流してもらえばいいのです。そうゆうシステムで、光源氏が「末摘花の姫君」の所に通ってみたら、ユニークが過ぎる姫様だったりする訳で。そうなればこちらのもんと申しますか。

とにかく娘が産まれたら、娘チェックのために夫は息子の時よりは通ってきたはず。となると当然、子供が増えるチャンスも増えるのではないでしょうか。

本宅に正妻格で夫と住めた?

当時の結婚は、夫が妻の実家に通い、いずれは自分の屋敷を持ち妻子を引き取り住まわせるシステムでした。道綱の母も夫に「僕の屋敷建てたら呼ぶからね」と言われ内心期待していました。結局色々あり、その夢は叶いませんでしたが、娘がいたら、子供がもっといたら、夫と同じ屋敷内に住めたかも知れない。たとえ夫があまり来てくれなかったとしても、少しは安心して暮らせたかもと思うと切ないです。「今夜もあの女の所に行った!」とか余計辛かったりして。トラブルになって飛び出したりして。

もしかして,国母の母になれた?

そんなわけで、娘がすくすく成長したら、帝の妃になったかも。(娘に丁度いい年回りの皇子がいれば、とゆうのは割と度外視)結局、父親が権力者であれば、帝も気を使いますし。娘が寵愛を受けて皇子を産んで運よくこの子が皇位を継げば、道綱の母も、国母の母となり、ちやほやされた事でしょう。自分の血筋が皇族に加わるとゆうのは当時の貴族にとっては最大の栄誉ではないでしょうか。

現実の娘がもたらす悲喜こもごも

ないものねだりをする人の特性に「自分が持ってない物だけが輝いて見える」所があると思うのです。息子しかいなかった道綱の母は「あー娘がいたら着物とか髪とか飾るのが楽しいし、女同士の話もできるし、私の気持ち、よくわかってくれるんじゃないかなー」と思っていたかもですが、実際の娘がいたらどうでしょうか。小さい頃は母親の気持ちに寄り添ってくれるでしょうが、人間とゆうものは同性に厳しものです。幻想が持てませんから。物心つきだして周囲を見渡すと、「お母さんも悪いじゃん!」とか「あたしはお母さんみたいな生き方、真っ平だから!」とか言い出す可能性はあります。すべての娘が母親に反発すると言いたいのではなく、道綱の母の言い分にずっと共感しつづけるのは難しいのではないかとゆう想像です。そう考えると息子、道綱は本当に優しいいい子ですよね。

そしてもし、夫によく似た強引で大雑把で野心家の性格の娘だったとしたら。道綱の母は、ちょっとだけ憎たらしく思うのでしょうか、それとも頼もしく思うのでしょうか。

養女がもたらした幸福

興味深い事ですが、道綱の母は、夫の恋人たちを人によって死ぬほど恨んだり、何とも思わなかったりします。そんな中で、夫があんまり来ない上に妊娠しやすい体質ではないと薄々感じ取った道綱の母は、何とも思わなかった方の女性とその娘が心細い暮らしをしていると聞きつけ、養女にする事にしました。娘の将来を考え、幼い娘を手放す決断をした母親の胸中を察すると辛いですが。(源氏物語の明石の上みたい)

わが子の幸せを願う実母の願いを知ってか知らずか、道綱の母はこの娘を大切に育てました。父親の権力目当てに、年端も行かない娘に求婚してきた貴公子に「何考えてんのよ。この子生理もまだよ。ロリコンかしら。気色悪~」と娘の親身になって適当にあしらいます。当時の養女の立場としては、あまり義母に反発は出来ないでしょうし、娘を持つ喜びを与えてくれた存在になったと思われます。

しかし夫、兼家が娘目当てに通ってくれる回数が増えるのではないか?とゆう淡い期待は裏切られました。兼家は、娘の出現に喜んだものの、徐々に娘への関心を無くしていきました。「帝の妃になれる娘じゃないな」と冷静にジャッジしたのかも知れません。

4回に渡り、蜻蛉日記の「もしも」を考えてまいりました。

次回から、「こんなにもリンクする!蜻蛉日記と源氏物語!」とゆう事で、日記と物語の違いはありますが、このふたつの名作の共通点について語りたいと思います!


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