今昔とんでも物語【98】鬼への生贄

すがる僧

今回はおっかないお話です。平安時代末期に編纂された説話集、「今昔物語」の中から、特に心に残る「とんでもない」話をご紹介していきます。

但馬国の鬼(17巻42話より)

雑なストーリー①・昔、ある所に古いお寺がありました。いつしか鬼が住みつくようになり近所の人は近づきませんでした。

しかし鬼が出る事を知らない、通りがかった旅の僧二人が日が暮れてきてしまったので、その寺に泊まることにしました。

ちなみに僧のうち一人は年若く法華経を信奉しておりました。もう一人はかなり年上でした。

雑なストーリー②・その夜の事です。僧たちが眠っていると何者かが壁に穴をあけて入ってくるような音がしました。

侵入してきた何かが若い僧に飛び掛かってきました。なんだか牛の鼻息のような臭いにおいがしてきます。若い僧は恐怖に震えながらも「どうかお助け下さい!」と一心に法華経を念じました。

雑なストーリー③・すると鬼は、なぜか若い僧を投げ捨てて今度は年上の僧に襲い掛かりました。年上僧はバリバリと喰われてしまい断末魔の悲鳴を上げました。

雑なストーリー④・若い僧は「先輩僧を食べ終わったら今度は自分を食べにくる!」と怯え仏壇に上り仏の像にしがみつき、ひたすら法華経を念じました。やがて鬼は先輩僧を食べ終り若い僧の方に向かってくる気配がしました。しかし仏壇の前で何かが倒れる音がしました。

雑なストーリー⑤・若い僧は鬼が自分の居場所を探している?と思い身動きもせず法華経を念じながら夜を明かしました。朝になり見てみると、自分がしがみついていたのは毘沙門天の像だとわかります。そして仏壇の前には切り殺された鬼の頭がありました。牛のような形をしていました。毘沙門天像の持つ槍の剣先には血が付いていました。

雑なストーリー⑥・若い僧は「毘沙門天様が私を助けてくれんだ!」と限りなく感謝しました。そして村に行き人々に昨夜の出来事を放しました。人々は鬼の頭を目撃して「こんなことがあるんだね」と驚きました。

野式部の雑な感想

年齢差のある二人が慣れない場所に泊まり襲われる、これって雪女と似てると思いました。

雪女はまず年上の人物を殺し、情け心から「若いお前は助けてやるから、このこと誰にもはなすんじゃねーよ」と言い残して消えて行きますが、こっちは若い方に行き、仏のご加護が強いので年上の方に行ったのでした。昔、植物を育てていた時に新芽だけを虫が食べるので「古い方なら多少食べてもいいのによりによって作法がなってねぇな!」と激怒したのですが、それが自然の摂理なのだろうかと今は思っています。

次回は「今昔とんでも物語【99】」を、お送りします。なかなかの愛の問題作です。


この記事が少しでも面白い!と思っていただけたら、
応援のクリックをいただけたら嬉しいです!