今昔とんでも物語【85】折檻期間を縮めた僧

感謝される僧

今回から、地蔵菩薩にまつわる話をご紹介いたします。平安時代末期に編纂された説話集、「今昔物語」の中から、特に心に残る「とんでもない」話をご紹介していきます。

地蔵菩薩のおかげ(17巻1話より)

雑なストーリー①・昔、ある所に真面目な僧がいました。特に「地蔵菩薩」に深い信心があり「何とか生きている地蔵菩薩様にお会いして直接教えを請いたいものだ」と常日頃から願っておりました。その想いを語ると「生きてる地蔵菩薩に会えるわけないでしょ?」と小馬鹿にしてくる人もいましたが、僧はどこ吹く風、地蔵に縁があると言われているスポットに一生懸命通っておりました。


雑なストーリー②・
ある日、地蔵菩薩スポットを訪ねた時でした。日も暮れてきてしまったので、一般のボロめの家に泊めてもらいました。その家にはお婆さんと、孫の15.6歳の少年が暮らしていました。そのうち人が迎えに来て少年を連れて行きました。しばらくすると風に乗って少年が泣き叫ぶ声が聞こえてきたのです。驚いた僧がお婆さんに訳を聞くとお婆さんは話し出しました。


雑なストーリー③・
「あの子は牛飼いしてるんですが、毎晩、雇用主である人に呼び出されて折檻を受けているのです。生まれた日がお地蔵に縁のある日だったので名前を『地蔵丸』と名付けたのですが…身寄りもないので我慢するしかないんです…」と。少年はしばらくして帰ってきましたが、僧は何かを感じました。「訳は分かんないけど、もしかしてあの子が自分が会いたいと願い続けてきた地蔵様の化身なんじゃないかしら?」とひたすら地蔵菩薩を念じました。するとだいぶ経った明け方に少年が起き上がって僧の前にやってきて言いました。

雑なストーリー④・「自分はあと3年、主の折檻を受けなければならなかったけど、あなたが来てくれたおかげで今日ここを出て行くことができます…」と、音もたてずに消えていきました。僧は驚いて「ちょっと今の見ました?どーなってるんですか?」とお婆さんに尋ねようとしたところ、いつの間にかお婆さんまで消えていたのでした。


雑なストーリー⑤・
朝になると僧は里の人々に泣きながら昨夜の出来事を話しました。願い続けていた生きている地蔵菩薩に会うことができたのですから。人々もあまりの尊いお話に涙を流しました。願い続ければドリームカムトゥルーだね、と話し合いました。

野式部の雑な感想

お地蔵様のご利益で少年とお婆さんが助かった話なら分かるのですが、少年が地蔵菩薩の化身というのはちょっと自分には難しいです。地蔵菩薩について「傘地蔵」くらいの認識しかないのですが、化身になりやすい性質があるのでしょうか。今後も化身話は出てまいります。仏は恐れ多いですが、もしかしたら地蔵様は身近なのでしょうか。これから8話ほど地蔵様にまつわるお話を続けてまいります。

次回は「今昔とんでも物語【86】」を、お送りします。乱暴者が改心するお話です。


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