今昔とんでも物語㊻「鬼と女子」

バブルナンパ

平安時代末期に編纂された説話集、「今昔物語」には、沢山のお話があります。かなり自由な、その中でも、特に心に残る「とんでもない」と思える話をご紹介していきたいと思います。今回は、あっとゆう間のお話です。

死のナンパ

雑なストーリー①・ある天皇の御世の事でした。内裏に勤める三人の女子が、松原と呼ばれる松がたくさん植えられている場所を、目的地に向かって歩いていました。月の明るい夜です。ふと、一本の松の木の影から男が出てきて、女子の1人の手を取りました。ぶっちゃけ、貴公子から声を掛けられ恋が始まるのは、よくあることなので、仲間の二人も気を使って、少し先の道で待っていました。しかしだいぶ待っても、仲間は戻って来ません。

雑なストーリー②・「あれっ?初対面だろうに、話が弾みに弾んだ?でもそろそろ行かないと…」と、二人がさっきの道まで戻ってみると、人の気配もありません。不思議に思って辺りをよく見ると、女の手だけが道に落ちており、少し先には足が落ちていました。

雑なストーリー③・二人は恐怖の悲鳴を上げながら、警備の役人の詰所に飛んでいき、出来事を話しました。皆驚き、現場に向かいました。女子達の言う通りに死体の一部が落ちていたので、「なんだ、なんだ?」と人が集まり、大騒ぎになりました。「きっと鬼が人に化けて現れ、女を食べてしまったのだろう」と、誰かが言いました。不慣れな、人気の少ない場所で、男に声を掛けられても、決して付いていってはいけない、と人々は言い伝えました。

野式部の雑な感想

怖いお話です。恋愛にポジティブな事が「色好み」と称賛された貴族社会。警戒していたら何も始まらない、なんて勇気を出したら命を奪われるとゆう残念なお話です。それにしたって、とりあえずさらっていけば、神隠しで落ち着いたかも知れないのに。鬼にとっては人間は、その辺になっている果物みたいな物で、もぎ取って食い散らかして、半分残したとか、種落としたとか、知っちゃこっちゃない、とゆう事でしょうか。あるいは、人間が驚いて恐怖するのが楽しいのでしょうか。警戒心が大切な意味では、現代にも通じる物語だと思います。

次回は「今昔とんでも物語」㊼を、お送りします。遅刻で運命が変わるお話です。


この記事が少しでも面白い!と思っていただけたら、
応援のクリックをいただけたら嬉しいです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA