今昔とんでも物語【73】人相見の激闘


今回は、人相見の人が頑張る珍しいお話です。
平安時代末期の説話集「今昔物語」の中から特に心に残る「とんでもない」話をご紹介します。
雲林院の聖人の衝撃の過去(15巻22話より)
雑なストーリー①・昔の京の事です。なんと七回投獄された罪人がおりました。「再犯率半端ないねっ」と警察の役人たちが会議で話し合い「悪い事が出来ないように罪人の足を切ってしまおう。その刑を見せしめとして河原で執行しよう」と決めました。
雑なストーリー②・刑の執行の時でした。有名じゃないけどほぼ当たる優れた人相見が通りがかりました。そして罪人の顔を見て度肝を抜かれて役人に言いました。「この人は必ず極楽往生する人相だから足を切るなんて絶対駄目っ‼」
雑なストーリー③・見物人たちも役人たちも驚きました。「前科七犯が極楽往生できるわけないでしょうが。悪いけどアンタの人相見の能力はデタラメだい」と役人が刑を執行しようとすると人相見は何と罪人の足の上に乗り言いました。
雑なストーリー④・「人相見のプライドに掛けてこんな立派な人相の人が傷つくのを見過ごせない!どうしても切るというなら代わりにこの私の足を切れっ!」と。
あまりにも人相見が必死なので、役人も困ってしまいました。見物人もザワついています。役人は相談して罪人を許して追放する事に決めました。
雑なストーリー⑤・罪人はたちまち道心を起こし出家して立派な僧になりました。そして最後には尊い姿で極楽往生したみたいでした。
野式部の雑な感想
いいお話ですよね。人相見の世界は皆目分かりませんが、罪人は、自分の為に身を犠牲にしてまで守ろうとしてくれた人がいた事で救われたのでしょう。ただ、へそ曲がり人間としては七回捕まるって盗賊の才能無いと感じます。方向転換出来て良かったなぁとか思ってしまいます。

次回は「今昔とんでも物語【74】」を、お送りします。往生のリハーサルに励む僧のお話です。
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