今昔とんでも物語④


平安時代末期に編纂された説話集、「今昔物語」には、沢山のお話があります。かなり自由な、その中でも、特に心に残る「とんでもない」と思える話をご紹介していきたいと思います。今回は、黄泉の国に関する、不思議なお話です。
地獄の沙汰も、飯次第?-別の体で冥途から戻った女ー
ストーリー①・讃岐国に住む、ある娘が病に伏せっていました。それもそのはず、死が確定していたのです。閻魔大王の使者である鬼が、娘の魂の取り立てにやって来ました。しかしお腹が空いていた鬼は、家の門に供えてあったお膳を平らげてしまいます。恩を感じた鬼は「この辺に君と、同姓同名の娘いないかい?」と娘に聞くと「ちょうど県内に居ますよ!」と答えたので、鬼はそちらの娘の魂を持って帰る事にしました。
ストーリー②・そして同姓同名の娘を冥途に連れて帰り、閻魔様の前に行きますと、帳簿を見ながら閻魔様は「お前、間違えて死ぬ予定じゃない娘連れてきてるよ。この娘は帰して予定の娘連れてきなさいよ」と鬼の偽装を見破るのでした。
ストーリー③・仕方なく鬼は、死ぬ予定の娘の魂を冥途に連れ帰りました。そして連れて来た娘の家に戻りましたが、娘の体は火葬された後だったのです。もう一人の娘の遺体は、死にかけた所に息を吹き返したりしたので、火葬はまだでした。閻魔様の指示で、体を失くした娘の魂は、残っている他人の体に入る事になりました。
ストーリー④・娘がまたも生き返り、両親は喜びますが、体は以前と同じなのに「私はここの家の娘じゃありません。同じ国の同姓同名の娘なんです」と言うので、ビックリ仰天します。
今度は娘は本来の自分の家に行き「私はこの家の娘だし!」と言います。外見が違いますし、両親は驚きますが、本人しか知らない、昔からの思い出などを聞き「やっぱ家の娘だわ」と納得します。この娘は両方の親から大切にされたとゆうことです。
野式部の雑な感想
この物語の魅力は「鬼の人間臭さ」ではないでしょうか。任務を忠実に遂行しなければいけない立場なのに、「お供え物ゴチになったから、他の娘あの世に連れて行くわ。同姓同名の娘ならバレないだろ」って、ガキの使いやあらへんで!この気軽さも、今昔物語集ならではの魅力に感じます。人間の生死に関わる話なのに、閻魔様もなんだかユーモラスです。
しかし死ぬ予定だった娘は、気の毒ながら仕方ないとしても、ぴんぴんしてたのに、他人の体で生きなくてはならなくなった娘の立場からすると、理不尽に思えるのですが、親が倍に増えたとゆう事で。新しい体が、前の体より本人にとって好ましいボディであることを、陰ながら祈るばかりです。

恐怖のワンポイント・アドバイス
「今昔物語」の各話のラストに、語り手の一言があります。時には現代の価値観では許容出来ないような一言もあるのですが、今回は「お供えはしておいた方がいいね」と「人が亡くなってもすぐに火葬しない方がいいね」とゆう、まっとうなアドバイスです。特に後の方は、医学が今ほど発達していなかった時代、仮死状態の可能性もある訳ですから、深いアドバイスなのかも知れません。
次回は「今昔とんでも物語⑤」をお送りいたします。
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