こんなにもリンクする!「源氏物語」と「蜻蛉日記」その④「養女物語」
名作「源氏物語」と、「蜻蛉日記」には共通点がある、とお伝えしてきたシリーズ、今回が最終回となりました。今回は「養女」がテーマとゆう事で、当時割とあったかと思うので、あまりリンクしてる!と張り切って言える訳ではないのですけれども、お伝えしたいと思います。
平安時代の星一徹!「お前は一族再興の星になるのだ!」
まずは源氏物語、色々あって、自分から島流しした、光源氏。明石とゆう土地で、「一族から皇妃と皇子が出るよ!」とゆうご神託を受け、その実現に人生を賭ける「明石の入道(出家した男性)」とゆう人に出会います。光源氏がこの辺に来てる!と聞きつけ「これや!」とビビッと来るのです。
そんな入道に「うちの自慢の娘と結婚してちょ!」と言われ「はぁ~何言ってんの?僕を誰だと思ってんの?」と内心驚く光君ですが、そこは女不足。半ば投げやりな気持ちで入道の娘に会うのですが、びっくり仰天!都の姫君にも引けを取らない素晴らしい女性が、そこにはいたのです。
そんな訳で入道の娘「明石の君」と結婚する光君ですが、そのうち「京へ帰ってきていいよ~」となります。その時、明石の君は妊娠していました。
明石の君を残したまま都に帰った光君ですが、娘誕生の知らせを受けます。娘の将来を考えた時(お告げの話もあるし)「明石には置いておけないし、母親の身分も低めだし…」と悩んだ末、自分の正妻格である「紫の上」の養女にしよう!とゆう結論に達します。
一方は、夫の愛した他の女性の子供を育てなければならない、もう一方は、夫の正妻にわが子を渡さなければならない。「紫の上」は、この養女をわが子同然に愛情をかけ育てましたし、「明石の君」も涙を呑んで可愛い盛りのわが子を(可愛いの盛りって、いつがピークなんでしょうか?)手放します。
この娘がやがて入内して皇子を産むのですから、それぞれがベストの選択をしたと言えるのではないのでしょうか。お告げも当たりましたし。皇室が栄華の頂点と設定した場合ですが。
これが「源氏物語」の養女の物語です。
道綱の母、養女を引き取る
「蜻蛉日記」の作者、道綱の母は、ある時、養女を引き取る事を決めます。結婚して割とすぐ、息子道綱に恵まれましたが、本人的には女の子が欲しかった。でも夫も来なくなってきたし、妊娠の兆しもないし、と悩んでた所、夫が昔、愛した女性に娘がいて心細い暮らしをしている、と聞きつけ「これや!」と思い立ったのです。
先ほどの「源氏物語」のように、双方の葛藤はあったでしょうが(子を手放す母親の心境を考えると辛いです。生き甲斐を恋敵に渡すわけですから)道綱の母も、養女を責任と愛情をもって、育てました。「源氏物語」と「蜻蛉日記」の養女話に共通点があるとしたら、養女をどちらも大事にした、とゆう所でしょうか。「落窪物語」の継母のように、継子を使用人のようにこき使う人もいますから。
千年余の時を経て、物語と日記の区別もなんだか曖昧に思えます。「源氏物語」と「蜻蛉日記」、こんなにリンクしてるよ!と言えるのも、それほど「源氏物語」はリアリティーのある物語であるとゆう証拠なのではないかと思えます。
次回からは、僭越ながら(でもずっと僭越だから)「私の好きな古典ベスト10!」を第10位から発表していきたいと思います。
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