源氏物語・私の嫌いな男君BEST5①

恐怖の独り言

第5位 光源氏

身分、年齢、容姿、人柄まで、幅広い女性達が登場する「源氏物語」。今回「好きな」ではなく「嫌いな」ランキングになっているその訳は「この人、サイコーにいい」と思える男性が居ないように思えるからです。正直、マシな人から挙げて行こう、とゆう形式になっております。あくまで個人の感想です。

光源氏…物語上、最も美しい性犯罪者…

雑な人物紹介・言わずと知れた、世界最古の長編小説とされる「源氏物語」。その主人公、光源氏。彼の華麗なる女遍歴と共に、物語は進みます。

ここが嫌だ!①迷惑な、究極の飽くなきナルシズム

国の最高権力者である「帝」と後宮に勤める「更衣」の間に産まれた、光源氏。しかし両親の身分違いのその愛は、波紋を呼びました。そんな心労が祟ったのか更衣は、幼い息子を残して、他界してしまいます。悲しみに暮れる帝の元に、「亡くなった更衣に、激似の女性がいるってよ!」とのリークがあり、入内してきた女性が「藤壺の女御」です。やがて光源氏は、義理の母親に恋心を抱くようになります。

後に、彼の最愛の妻となる「紫の上」は、「藤壺の女御に似てるし!」と見初めてさらって来ました。(色々事情ありですが)それもそのはず、藤壺の女御と紫の上は、叔母と姪の関係だったのです。

しかしふと、考えると、藤壺の女御は、そもそも母親に似ていたのですから、自分にも似ていたのではないでしょうか。光源氏は、少なくともマザコン、ともすれば、自分に似た女性を探し求めたナルシストとも言えるのではないのでしょうか。理想の人間は身近な、鏡の中にいた、「青い鳥」みたいな教訓物だったのでしょうか。

ここが嫌だ!②・果実、手あたり次第の農園主…

「愛してはいけない人を愛してしまった…」。義母への想いの苦悩から逃げるように、光源氏は理想の女性を探し求め、奔走します。時代を考えると、特別な事ではないのかもしれませんが、彼は突然、女性に近づき、強引に関係を持つことが多いのです。予定調和の元に男が通い、女は不本意だけど感出すのは構わないのですが、光源氏はその範疇を超えてます。帝の息子だとゆう身分もあるのでしょう。ましてや、超イケメン、しかもセンスも頭も良いのよ!となれば、ファンというか、光源氏に愛されたい、と願う女性も多かったかとは思いますが、やっぱり急は困るのよ~と、焦った女性も居たはずなのです。きっと。

いい所・アフターケアの良さと、秘密厳守!

光源氏は、モテモテのイケイケ、だけでは鼻持ちならない事この上ないのですが、かなりユニークなお姫様でも、ぶったまげるほどの年上女性でも、お相手する所に好感を持てると思います。好みじゃなくても、一途に自分を待ってくれていた女性の面倒を見るのです。一回関係持っただけで後は逃げた女性も、苦境を知ると、引き取って面倒を見ます。贈り物など、気が利いてセンスがあり、きめ細かい気遣いがある、こうしてみると、プレイボーイのあるべき理想の姿とも言えるかも知れません。強姦魔ですが。

もう一つ、凄いと思うのは、「秘密を守る」所です。義母、藤壺の女御を思い続け、ついには、ちゃっかり関係を持ち、藤壺の女御の胸の内はさておき、子供ができてしまいます。妃の産んだ子が実は、王の息子の子供だった、となると国を揺るがす大事件ですが、幸い疑う者もなく、やり過ごす事が出来たのです。

この愛の大事件を知っている人間は、当人二人と、女御の侍女一人、後に真相を知る、息子の四人だけなのです。「王様の耳はロバの耳」ではありませんが、大きな秘密を抱えて生きるのは大変な負担ではないかと思います。当時はお互いの身が危ないので、黙るのは当然としても、父親が亡くなり、女御が亡くなった後、人生を振り返るような時でも、気を許しまくった妻、紫の上にさえ、洩らさなかったこの秘密、「墓場まで持って行く秘密」とはこうゆう事なのか、と感心します。

次回は、「嫌いな男君、第4位」をお送りします。


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