源氏物語・私の嫌いな男君BEST5③

柏木を見舞う夕霧

第3位 柏木

身分、年齢、容姿、人柄まで、幅広い女性達が登場する「源氏物語」はまるで女の百貨店、好きな女君ベストテンを発表してまいりました。そして次は「そうだ!男君シリーズやろう」と思い立ちましたが、女君と比べると、魅力に欠ける所は否めません。とゆう事で、嫌いな男君、ベスト5、を始めました!

志半ばで儚く散る…薄幸の美青年…か?

雑な人物紹介・光源氏の好敵手、頭中将の愛息子、柏木は、母親の身分が高い内親王「女三宮」を妻にとずっと願ってましたが、宮の父親である朱雀院が、娘の結婚相手に選んだのは「光源氏」だったのです。ここから柏木の暴走は始まります。よせばいいのに。

ここが嫌だ①女を血統書で選ぶ嫌な男!

人妻になった想い人を諦めきれず、不倫に。罪の意識から病に死す…こう聞くと悪い人には思えないかもですが、はっきり言って悪い人。「女三宮は駄目だけど、ちょっと母親の身分が低い、女二宮ならいいよ」みたいな感じで、女三宮の異母姉、女二宮とは結婚出来ました。「でも、やっぱり女三宮のほうがいいなー」と思い続ける柏木。こんなの一途でも何でもない、女二宮の身にもなって欲しい。ここからもう嫌な感じです。

ここが嫌だ②猫相手に妄想爆発、ストーカー男

女三宮の嫁ぎ先の光源氏宅に、蹴鞠やりに来た柏木。「あの辺があの方のお部屋かしらん…」なんてチラ見してたならば、女三宮の可愛がっている子猫が暴走して、首紐が御簾に引っかかってまくれ上がり、まさかのガードの緩い女三宮のお姿が丸見えに。柏木の恋心は増々燃え上がり、その猫を何とかしてもらい受け、一緒に寝てますと、泣き声が「ねよーや、おい」なんてふうに聞こえて、鼻血ぶー。聞き間違えにも程があんだろ。猫も可哀そう。そんな折、光源氏の愛妻が病気になり、女三宮がほったらかしになってると聞き及び「もう、行くしかない!」と一念発起して、女三宮の部屋に忍び込みます。一念発起すな。

ここも嫌だ③スター光源氏に睨まれて「もうあかん…」

ある夜、女三宮が「おっ、夫来た」と思ってますと、なんとそれは知らない男でした。過去手紙貰ったり、名前ぐらいは知っていたかもだけど、この時の女三宮が、どんなに驚いたか怖かったかと考えると辛くなるほどです。しかし柏木は、長年の恋が叶ったと感無量。何度か通う内、女三宮は妊娠します。しかも柏木からのおてまみが、女三宮のうっかりから、光源氏に読まれてしまい、不倫は露見してしまいます。

自分と女三宮の密通を、光源氏が知っていると思うと、柏木は生きた心地もしません。パーティーで会った光源氏に嫌味を言われて、大打撃。病みついてしまい、遂には命を落としたのでした。

本当に女三宮が好きなら、病みついている場合ではありません。しかも女三宮は、妻の密通を知っている夫の屋敷で針のむしろの生活の中、出産もするのです。愛する女性と自分の子供を守るために、一念発起すべきでした、ここでこそ。でも、光源氏を敵に回しても構わないほどの想いも気力もない柏木ですし、女三宮だってただの被害者、「私はどんなに苦労貧乏しても柏木さんと一緒に居たい!」なんて気持ちもないのでした。

とにかく、最初から最後まで、なんかいい所ありましたかね、この貴公子は。

次回は、「嫌いな男君、第2位」をお送りします。


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