僕も大臣になりたいなぁ。藤原道綱様
蜻蛉日記の作者、藤原道綱の母の、最愛の一人息子、道綱。その生涯につきまとった「お気の毒」をまとめてみました。
お気の毒、その1・お母さんが大変
道綱の母の特性の一つに「母性の希薄さ」を感じます。母性を神話を押し付ける気はありませんが、結局はナルシスト、自分にしか興味はありません。子供の事を思えば少なくとも「もうお母さん、病気で死ぬから」「もうお母さん、出家するから」と不安になるようなことばかり言わないんじゃないかな、と思います。
お気の毒、その2・お母さんが有名人
有名な美女で、詩歌の才能も世に認められた母を持ち、道綱は外で期待され、そしてガッカリされたことがあったのではないでしょうか。その度に自信を無くしてしまったのではないか、と思います。勝手に。
お気の毒、その3・両親が不仲
両親の関係が子供に影響すると思います。板挟みになり、悲しく不安な気持ちになります。母の出家騒動の際など、伝書鳩のように、意地を張る双方の言葉を伝えて往復し、母親に呆れて父親の方について行こうとすると「母親の側にいろ!」と父親に追い返されてしまいます。こんな事では落ち着いた性格にはなれません。
お気の毒、その4・異母兄弟がえぐい
藤原氏の栄華を極めた道長は、道綱の異母兄弟です。「同じ父親から生まれて、私も大臣になってみたいよ」と言って周囲から失笑されてしまいます。そしてそのエピソードが有名になり、残念にもほどがあります。
お気の毒、その5・まさかの、占いが外れる!
道綱の母が、位の高そうな僧に膝に水をかけられるとゆう、フロイトが思わず身を乗り出すような夢を見ます。夢解きしてもらうと、なんと「貴女の息子が出世するお告げです」みたいに言われます。後世の人間は偉人伝に触れる機会が多く、偉人の出世の予言は百発百中当たっていますから、あっ、外れる占いあるんだね、と新鮮に感じるほどです。しかし道綱の名前は母親の日記により後世に残る事となり、この占い、当たった?とも取れます、かしら。
次回は、かげろうさんの愛する、家族について語りたいと思います。
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