源氏物語・私の好きな女君BEST10⑦
第4位 源典侍
身分、年齢、容姿、人柄まで、幅広い女性達が登場する源氏物語は、まるで女の百貨店です。その中で僭越ながら「好き」と申しますのは、「なんか気に食わない」みたいな事ではなく、「どのような運命を用意された人であったか」とゆう観点からの、個人的なランキングになっております。
千年前の超絶モテ女、美魔女の草分け!中高年の星!
雑な人物紹介・家柄も良く、教養もある、源典侍。宮中でも高い身分の女官です。美貌もあり、当然ながら、悪いけどよくモテてます。ただ絶頂期がそのまま、30年、40年続くと信じ切っている様子に、違和感を覚える人間もいたのです。
人生ファイルその1・好奇心旺盛・ひかる君。パパが見る
若き日の光源氏は、いくつになっても、恋の道の現役バリバリ選手の雰囲気出してくる、この女官に「どうなってるの?」と気を引かれます。決して逃れられない恋の激情に駆られたわけではないのですが、なんとなくやり取りを交わしていますと、帝であるパパに「お前は真面目過ぎるかと心配してたけどそうでもないのね」と、からかわれます。何言ってんだよパパ、あんたの嫁さん、狙われてまっせ。
人生ファイルその2・頭中将、対抗意識で恋のバトル参戦!
好奇心から源典侍に近づくひかる君を見かけた頭中将。あの光源氏が相手にするなんて、そんなにいい女な訳?かなりのお姉さんだけども…とやっぱり気を引かれます。となると当代で一、二を争うイケメン貴公子二人が、源典侍を取り合うことに。かなりの「姉さん、事件です」となり、宮中はざわつきます。
人生ファイルその3・頭中将、乱入で大暴れ!まりや気分
それぞれ思惑はともかく、ちゃっかり美男2人とも頂いちゃう源典侍。光源氏と共寝してますと、頭中将が乱入して大暴れ。ただの悪ふざけなのですが、源典侍は「私の恋人が、他の男といるのを知って、嫉妬して暴れてるわ!」とヒロイン気分。「ケンカをやめて~」と口ずさむのでした。
現代でも、二十代前半の男と、五十代後半の女の恋愛は、ありふれたものとは言えません。お互いが良ければ問題はありませんが、当時の平均寿命を考えると、そのバイタリティーに圧倒されます。しかもこの後も、長生きしますから。恋愛が寿命を延ばすのでしょうか。ユニークな存在である源典侍ですが、ストレスで早死にしがちの平安貴族の女性の中で、長い時間、自由に恋愛して、人生を謳歌した「勝者」と言えるのではないでしょうか。
紫式部が、この女性を肯定的な理由で登場させたと信じたいです。
次回は、「好きな女君、第3位」をお送りします。
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