今昔とんでも物語【100】遠い別れ

家族との再会

今回は出家のお話です。平安時代末期に編纂された説話集、「今昔物語」の中から、特に心に残る「とんでもない」話をご紹介していきます。ちなみに今昔とんでも物語が今回で100回目になりました。これからもお付き合いのほどお願いいたします。

頭中将の出家(19巻1話より)

雑なストーリー①・昔、ある天皇の御代に頭中将と言う役職の貴族の青年がいました。父親は大臣で本人も外見も内面も素晴らしく心も優しかったので、天皇はとても気に入り大切にしてくれました。しかしそんな寵愛を快く思わない人間もいたのです。そんなアンチは、天皇の息子の皇太子に頭中将の悪口を吹き込みました。年若い皇太子はそんな情報操作をすっかり信じ込み頭中将を嫌うようになりました。

雑なストーリー②・そんな不穏な動きに頭中将も気づいていましたがどうしようもなく、ひたすら天皇に忠実に仕えました。しかし天皇は病気になってしまいました。そしてとうとう亡くなってしまいました。頭中将は大変悲しみ、そして生きる気力を失くしてしまい「そうだ、出家しよう」と心に決めました。

雑なストーリー③・頭中将には心から愛する妻がいました。可愛い子供もいました。自分がいなくなったらどんなに妻は困るだろう…とは思いましたが出家の意思は変わりませんでした。天皇の葬儀の後、そのまま一人抜け出し比叡山の偉いお坊さんに出家したいとお願いして弟子になりました。頭中将はひたすら修行に励みました。

雑なストーリー④・それから数年が経ち、頭中将はあるお寺に詣でていました。後から数名の一行がやってきてお祈りをしました。なんとそれは自分の妻と子供たち、家の者たちでした。妻は「どうか夫の行方を教えてください」と懸命に祈っていました。頭中将はあまりの懐かしさに飛び出して行きたかったのですがその気持ちをぐっと抑えて隠れていました。

雑なストーリー⑤・修行を続けるうちに頭中将には強い霊力が備わり、人に取りついている悪霊など追い払えるようになります。

その頃都では、天皇亡き後位に着いた、元皇太子が病で亡くなってしまいます。元皇太子の息子が跡を継ぎ天皇となりましたが、病気になってしまいます。そこで病気を治すために様々な有名な僧が呼ばれますが、まったく効き目はありませんでした。そこで頭中将が呼ばれ、祈祷をしますと天皇の病は治りました。

雑なストーリー⑥・頭中将はさらに修行を続け、次の天皇の世になっても大事にされ高い位を授けられました。

野式部の雑な感想

 この話で思い出した実在の偉い僧がいらしたのですが、お恥ずかしながら、思い出せません。これは宿題という事で。その僧は出家を止めようとする可愛い我が子を蹴り飛ばして出家したのでした。「いくら何でも足かよ。DVかよ…」と息をのんだのですが、それほど俗世との縁を断つとは厳しく険しい道なのでしょう。死よりも遠い別れがあるとしたら出家なのかもしれません。この時代は。

次回は「今昔とんでも物語【101】」を、お送りします。僧三人と息子が頑張る話です。


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