今昔とんでも物語【95】恐るべき子供

怒る母親

今回はスリリングなお話です。平安時代末期に編纂された説話集、「今昔物語」の中から、特に心に残る「とんでもない」話をご紹介していきます。

文殊と悪い子(17巻37話より)

雑なストーリー①・今回も、文殊の生まれ変わりとされた僧のお話です。僧はある川に堀を造りそこで法会を行いました。ありとあらゆる人が僧の説法を聞きに来ていました。

雑なストーリー②・その中に子供を抱っこして聞きにきた母親がいました。その子供は生まれて10年も経つのに歩かず常に泣き叫ぶか何か食べているのです。すると母子の様子を見た僧がその母親に言いました。「その子を川に投げ捨てなさい」と。

雑なストーリー③・それを聞いて周りの者は「いくら徳の高いお坊さんでもお子様を水に捨てろって酷すぎる…」と驚きました。母親もいくら何でも無理なのでそのまま説法を聞きました。
雑なストーリー④・あくる日、またその母親が子供を抱っこして来ると、子供は泣き叫び母親は説法を聞けません。それどころか他の人まで説法が聞けないほどでした。すると僧がまた、「その子を川に投げ捨てて来なさい」と言うので母親は怪しみながらも言うとおりにする事にしました。

雑なストーリー⑤・母親が子供を川に投げると、何と子供はすぐに浮かんできて手足を動かし目を見開いて言いました。「くっそーあと3年はこうやっていようと思ったのに!」母親は驚き説法の場に戻り、今起きた事を僧に報告しました。僧は「あの子は前世で借りたものを返さない人間の元に子として生まれて返却の催促をしていたのだよ」といいました。

人々は、さすが文殊の化身はお見通しだと感心しました。あと、借りた物は返そう、と骨身にしみたのでした。

野式部の雑な感想

結果オーライなんですが、子供を川に投げろ、と言う人がいたらそっちのほうがおかしいと感じますよね。吸血鬼と思われる相手の心臓に杭を打つくらいの勇気要りますよ。

この話でふと、母親のお腹に3年居たという伝説の弁慶を思い出します。どういう事情かは分かりませんが母親の身にもなってほしい、と思います。

次回は「今昔とんでも物語【96】」を、お送りします。次回も転生物となります。


この記事が少しでも面白い!と思っていただけたら、
応援のクリックをいただけたら嬉しいです!